何となく そこから立ち去ることができなくて 放心状態のまま狂ったように一点を見つめていると 突然辺りに鳴り響いた警告音 何か緊急事態が起きた時にしか鳴らないこの音が 私の脳内を突発的に働かせた ここから出なくちゃ そう思って焦った瞬間 目の前の黒い塊にぶつかった 「っ…」 「悠里?」