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 翌朝、広報企画部にはいつも通り涼しい表情を浮かべた真理江の姿があった。

 昨夜も祥吾と静かに過ごし迎えた朝は、何も変わらない朝であった。

 ロッカーに荷物を入れデスクに着くと、真理江はパソコンを立ち上げ、朝の日課となっているメールチェックを始めた。


 未読メールは6通。
 そのほとんどが社内の人間から送られたもので、真理江の帰社後に届いたらしいメールの時刻を見てはいつも感心してしまう。


 一番最後のメールの時刻を見れば、なんと午前0時間近。
 真理江は一瞬大変に驚いた顔をしたが、しかしそのメールアドレスのドメインをよくよく見れば、社外から送られたものであった。

 PCのアドレス帳に登録こそされていないものの、真理江には見覚えのあるアドレス、小島彰人から送られたメールであった。