煙草を一服し終えた彰人は 先ほど脱いだままにしていた上着を片付け、テレビをつけた。 女性タレントたちの奇声に近い笑い声が溢れ出すと、あまり生活感のない閑散とした独り身の部屋も、幾分と賑やかしくなった。 台所で湯を沸かした彰人は、慣れた手つきでカップラーメンの蓋を開け、内側に書かれた湯の量を示す線よりやや少なめに湯を入れた。 そして容器と箸を器用に片手で持ち 再びソファーに戻った彰人は、机の上のノートパソコンを開いた。 そして、今夜も電源を入れた。 〜『ベイビーな人々』 彰人 〜 .