翌日、熱海は快晴であった。 百合子は早めの昼食をとり身支度を調えると、自らが運転する車を海岸線をなぞるように走らせ、東伊豆へと向かった。 伊東や熱川などの温泉街を南に抜けた先、そこに妙子の暮らす家はある。 百合子が東京という賑やか過ぎる場所に身を置いているからだろうか? 嫁ぐ前に比べると、この界隈の温泉街の賑わいも随分と静かになったような気がする。 しかし、そこにある駿河湾の美しさは相変わらずで、かつて青春時代に眺めた風景と何ら変わりなかった。 今日は大島もはっきりと見えた。 .