友だちの多い麻美ではあるが、社会人になってからというもの、明らかにメールの数は減りつつあった。
それは隣にいる同世代の同僚も同じであった。
けれど一日を通してなかなかロッカールームに足を運べない麻美たちであるから、念のためにここでメールチェックをすることが、すっかり一日の終わりの習慣として定着した。
すると、この日は珍しく、麻美の携帯電話に2通ものメールが届いていた。
1通は小島から、そしてもう1通は連休前に電話で話をしたばかりの友人 理恵子からであった。
それらが送られた時刻を確認すると、2つともつい先ほど届いたばかりである。
理恵子はともかく、小島からこんな早い時間にメールが来るのはとても珍しい事だった。
しかしながら麻美は、どちらかというと、友人理恵子から届いたメールに戸惑っていた。
何故だろうか、理恵子のメールを開く事を、麻美はとても怖いと感じた。



