「全く、何考えてるんだよ!」

 母親からの突然の手紙は、彰人にはとんだお節介な知らせであった。


 彰人は乱雑に上着を脱ぎ捨てると、ワイシャツの胸ポケットから煙草を取り出し、苛ついた様子でその1本に火を着けた。

 そして煙草を口にくわえながら、彰人は母親が昔から何かと世話焼きであった事を思い出していた。


「本当、相変わらずだな……」

 呆れたように呟く彰人であったが、とはいえ、未だ膨らんだままの封筒の中身が、少しは気になる様子でもある。


 自分一人しかいない小さな部屋で 誰の目を気にしているのか、ちらちらとその封筒を横目で見ていた彰人であったが、遂にそれを手に取ると、その中にあった一枚のスナップ写真を取り出したのだった。


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