心の中で小さくガッツポーズをし、振り向けば、相変わらず佐竹に抱えられた真理江がそこに立っている。 冴子は「もういいや」と、自分の幸運と不運とを噛締めた。 酒に酔った真理江が、もっと見栄えの悪い状態だったらよかったのにと思う意地悪な自分が現れなかったわけではない。 しかし佐竹が現れた事で、助かったのは紛れもない事実であった。 「佐竹さんのお陰で本当に助かりました。 多分もうじき目が覚ますでしょうから、真理江にも伝えておきます」 冴子は佐竹に頭を下げ、礼を述べた。