しかし広告バナーすら無いのを見れば、そのサイトの規模の小ささは容易に認識できた。


 それもそのはずで、そのサイトというのは5年ほど前に、彰人の大学時代の友人が 世の流行に乗って 見よう見真似で作った簡単なものであった。

 その上、有名コミュニティーサイトを真似たわけではないが、紹介型会員制とした事から、ここに集まる人物は、身元知ったりの輩ばかり。

 彰人も半年ほど前に行われた同窓会の折に誘われ、いつしか参加するようになっていた。



「勤勉」を意味する【Industry】

 どうやらそれがそのサイトの名前のようであるが、いかにも偏屈な人間が集まりそうな名前である。

 そして中を覗いて見れば、やはりその名前の通りであった。