男友達にメールを書いて送るほどでもないと思ったのであろうが、皆川もまた此処に心の内のモヤモヤを吐き出して出掛けて行ったのだと思うと、彰人は何か繋がっている気がした。


「そうか、皆川の嫁さんは出産間近だったな」

 以前から皆川の妻の実家は静岡市内にあると聞いていた。
 
 既に一児の父親であるとはいえ、ドキドキしながら未だ幼い長女と共に妻に寄り添い、今か今かと出産を待ち望む様子を想像すると、昨日訪れた幼馴染と過ごした時とはまた異なる感情が彰人に生まれた。
 
 そして気付けば、
 
「いいなぁ…――」
 
とごく自然に漏らしていたのだった。
 

 思いがけず目にした皆川の書き込みが明るいもので、彰人は素直に嬉しかった。

 そして自分も、此処を訪れた理由でもある、見合いの報告を皆川のコメントの次に残すことにした。