ゴールデンウィーク中とあってすぐに連絡が取れない者が殆どであったが、しかし皆、祥吾の容態を知る者たちである。

 不自然な着信に嫌な予感がしたのであろう。
 祥吾の両親の携帯電話にはすぐに折り返しの連絡が入った。

 そして祥吾の父親から事態を告げられると、祥吾の一大事に 皆は慌てた様子で駆けつけてくれたのだった。
 中には旅の予定を途中で切り上げ、駆けつけた者もいた。


「皆さん、どうぞ中にお入りください」

 一礼をしながら現れた綾乃が小さくそう言うと、より一層強張った表情を浮かべた祥吾の最後の客人たちは、早足で病室の中へと入っていく。

 綾乃も黙って、それに続いた。