「百合子さんったら、うちの息子に緊張なんてなさらないでよ。 それより麻美さんが本当にお若くて明るくて、何だか申し訳なくなってきちゃったわ」 滅多にそのような姿を見せない百合子の様子には、さすがに真佐子は恐縮した。 瑞々しく若さ溢れる麻美と、期待から緊張を隠せないでいる百合子を前に、今から現れるはずの35歳になる独身の息子を迎えることになるのだから、それも仕方のない事かもしれない。 .