この日麻美が初めて目にする見合い相手の母親は、白の大島を上品に着こなす、何処となく麻美の母 妙子と似た雰囲気をもつ女性であった。
 
 真佐子は麻美と目が合うなり、
 
「まぁまぁ、あなたが百合子さんの処にいらしたお嬢さんね? どうも初めまして」
 
と、とても気さくに麻美に声を掛けた。
 

 この日の為に選んだ爽やかな水色のワンピースに身を包んだ麻美は、
 
「初めまして、吉田と申します。今日はお招きありがとうございます。
 百合子おばさんには東京でずっとお世話になっていて、私のもう一人のお母さんみたく、今でもずっとお世話になっているんです。ね?ゆりこおばさん」

と、いつもよりも控えめな笑みを持ってそれに答えた。


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