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「真理江、どう? 終わりそう?」

 18時。
 既に仕事を終わらせていた冴子が、未だPCに向かう真理江の背後から声を掛けた。

 真理江が振り向くと、冴子ばかりか今夜の飲み会に誘った後輩の女の子たちまでが、既に身支度を整え、扉の向こう側で自分の仕事が終わるのを待っている様子が見えた。


「ごめーん。週末だし、このメールだけ先方に送ってから行きたいの。すぐに追いつくから、冴子たちは先にお店に行っててくれる?」


 真理江は、冴子や後輩の女性たちが、今夜の“新人歓迎会”の開催をずっと楽しみに待っていた事を知っている。

 それに加え、先ほど冴子の元に届いた彰人からのメールの内容は、更に彼女たちを喜ばせたようであった。