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 見合いの日まで2週間となった土曜日の午後である。

 麻美は自分の部屋で、まだ真っ白なままの5月のスケジュール帳を見つめていた。


 麻美にしては珍しく、もうじきに迫ったゴールデンウイークの予定が今年は未だ決まっていなかった。

 見合いさえなければ、迷う事なく東京の百合子の元に行っていたであろう。


 ゴールデンウイークと言っても、麻美は病院勤務。当然仕事は暦通りにあるわけで、それにより今年は四連休と短い休みであったのだが、よりによってその初日が見合いの日であった。


 本来ならば東京へ行き、大学時代の同級生と羽根を伸ばしたかったのだが、万が一である。

 見合いの相手と意気投合したとすれば、この連休の内に再会、なんで事もあるのかしら?などと、麻美はぼんやりと考えた。