「和弥、帰ろう?」 静菜が口を開いたことで、時間が動き出す。 「……」 無言の和弥を置いて歩き出す静菜。 どうして関わりあいたくないと思った相手に自ら関わるような行動をとるのかと悩みながらも慌ててついて行く和弥。 差し出される傘を静菜は受け取らない。 そして時折、和弥を振り返っては楽しそうに笑っている。 雨がそんなに楽しいのだろうか。 和弥は疑問を抱きつつも、ただ黙って静菜の後を歩いていた。