「ふ~ふ~ふふ~」


「親父!気持ち悪いでごわす。」


武田親子は食事中。


「なぁ、お前確か、俺の兄貴の子供見たことないよな?」


「ないでごわすけど…」


「修司にソックリだぞ」


修司の叔父はニヤリと笑った。


「―――だけどな」


「え?」


力はその一言が聞き取れなかった。


「修司のヤツ、会った事ねぇだろぅな。会わせてやるか」


叔父は携帯を取り出した。


「え、今からでごわすか?」


日曜日とはいえ、急すぎるのでは…


「もしもし?ジュンか?」


親父は思いたったら一直線だから…。
力はもくもくとご飯を食べていた。


「修司か?今からウチ来いよ。真知子ちゃんも連れてきていいぞー」


用件を言うだけ言って電話を切った。


「力!お前迎えにいけ」


「まだ食べたりないでごわす」


「俺が変わりに食っといてやるから、ほら行け!」


変わりに食べてもおいどんの腹は満たされないでごわす…。
力はしぶしぶ家を出た。


はぁ……。
ため息。


何でデート中にヤツから電話がかかってくるんだ。
タイミング悪いんだ良いんだか。


「何かあるのかな?」


…どうせロクなもんじゃないだろ……。


「せぇ~んぱぁ~いぃ!」


デブがきた。
デブはハァハァと息を切らしていた。大量な汗が出てる。


……滝だな、こりゃ。


「すみません、修司先輩。真知子先輩も。親父がどうしても会わせたい人がいるって言って…ハァハァ」


「宇宙人かな?」


……人じゃねぇし。