「…え゛?ぅ゛ん」


何の約束だよ。


「じゃあ、約束どおり、デートしてくれるのかな?」


…………デートぉ!?お前ら何約束してんの!?


「真知子、顔怖い」


大和くんが私の顔を見て言った。その時の私の顔は、まるで歌舞伎のようだったらしい。


「ちょっと、修司くん、どーゆう事?」


私は修司くんを連れ出して、話をしていた。


「え゛?何が?」


……何がじゃないでしょ。


「……デートの約束したって…」


「あ゛ぁ、あれ?」


修司くんは悪気のあるような顔はしていなかった。


「修司くんて、普通にそうゆう事できちゃうんだね」


「え゛?真知子ちゃん゛?」


私はその場を去った。


「ただいま~。おぃ、修司達は?」


慎一さんが戻ってきた。


「おい…お前何泣いてんねん?」


そう言われて初めて私は涙が出ている事に気付いた。


「ついでに鼻水も出てるで」


鼻水も垂れていたらしい。


「正直、今の顔、かなりキショイで。」


……………すんませんね。


私は慎一さんに事情を話した。


「はぁ、そんな事か」


慎一さんはため息をついた。


「あのな、お前は、『修司と千代子が』デートするって聞いたんか?」


そう言って慎一さんは私の顔を見た。


「……顔、キモイで。」


分かってます。