「あっ。てゆぅかさぁ。広場で面白い事やってたんだって」


おじさんははだけながら言った。
面白いこと?…なんだろ?


「真知子ちゃん、気になるみたいだねぇ。おじさんと行く?」


…え、でも。


「修司くんほっといても治るよ。ホラホラ」


私は強引に連れて行かれた。
広場には、巨大なクリスマスツリーがあった。


「うっわぁ!凄い!」


私は、ツリーの綺麗さに、見とれてしまった。


「……あれ、これは?」


ツリーに付いてた白い紙に目をやった。


……なんだろ?


『石油王になれますように』



………………短冊?


「ソレ、俺書いたの。このツリーに願い事を書くと叶うんだってぇ」


……あ、そうですか。


「ゴホッ」


どこからともなく、誰かの咳が聞こえた。


「俺も書こうかな……びぇっくし!」


……修司くん。


「起きて大丈夫なの?」


「ん……ズズッ」


大丈夫じゃないじゃん。


「でけた」


『でけた』って…私は修司くんの短冊を見た。


『真知子ちゃんとずっと一緒にいられますように』


修司くんはその短冊をツリーにくくりつけた後、私に何かを差し出した。


「メリークリスマス……っくし!」


渡されたのは、『指輪』。


「安もんだけど…ズッ」


私は予想外の出来事に、唖然としていた。