『どうしました?』


旅館の人達が駆けつけた。


『この女風呂は最近覗きが多発しているんですよ。』


女将さんが言った。


「先言ってくださいよ」


『すみません。他のお客様にはお話していたのですが、お客様にだけ申し上げるのを忘れておりました』


…だから誰もいなかったのか。


修司くんはタオル一枚で探しに行って、一時間後に帰ってきた。


「真知子ちゃん!捕まえたよ!!」


修司くんが部屋に戻ってきた。



「女将さんに犯人渡してきたから。もう大丈夫……べっきし!!」


……修司くんは今だタオル一枚。


「ほら、ずっとそんな格好してたから風邪ひいたんじゃないの?」


「大丈夫だよ。それよりもテロリストが捕まって良かったよ」


……テロリスト??


「覗いてたって事は、相手が油断した隙を狙って射撃するつもりだったんだよ!…ぐしっ!!」


……おいおい。ただの覗きだっつうの。


「ハイハイ、とりあえず服着て!」


修司くんはタオルの上から浴衣を来た。


「…は…は………っきし!!」


修司くんはクシャミが止まらない。


「あ゛ー。寒っ」


鼻声だし。


「無茶するからじゃん」


私は修司くんを見た。修司くんは苦笑いをしていた。


「……ありがとう」


「…………ぶえぇっくし!!!」


……聞いてないね。