被害妄想彼氏

「…何やってるんですか?」


私は状況を理解出来なかった。
私がそう言うと、叔父さんはこちらを向き、ニヤリと笑った。


「修司くんに真知子ちゃん。いやぁ、コイツに時給いくらか聞いてるのに全然口割らないんだもん」


叔父さんは、ふてくされた顔をして言う。


『時給なんてありませんよ』


近くで子供達も見ている。サンタはいたたまれなくなって、その場を逃げ出した。


「あ、クソ。逃げやがった」


……。


「まさかこの旅館に泊まるんですか?」


私はおじさんにおそるおそる聞いた。


「そうだけど?」


……ぅっそん。


変人二人とデブが一人。
…このさいデブはどうでもいいわ。


「…部屋行こう。修司くん」


関わりたくない。


「あのサンタさんは偽物だったのかな」


……!??


修司くんサンタさん信じてるの??
……いや、寒い国とかにはいると思うけど。


純粋なんだか、何なんだか。
部屋につくと疲れがたまっていたので、温泉に入る事にした。


女風呂の脱衣場には誰もいなくて、少し不思議に思ったけどあまり深く考えず服を脱いで体を洗い、湯に浸かった。


「ふぅ~。」



露天風呂は良い。ここならヤツらはいないし。
…てか誰もいないのは何でなんだろう?楽でいいけど。


…………………?


今、視線を感じた。視線の方に目をやった。


…………覗かれている!


「きゃあ――――――っ」


私は叫び声をあげた。すると誰かが入ってきた。


「なに!どうしたの??」


修司くんがタオル一丁で女風呂に入ってきた。


おいおい。
…幸い、私以外誰もいないし、今はそれどころじゃない。


「あそこで覗いてる人が」


私はさっき視線を感じた方を指差したが誰もいなかった。


「逃げたか!探してくる!!」


修司くんはタオル一枚で探しに行った。