被害妄想彼氏

「……優勝?」


私の頭上にハテナマークが浮かび上がる。


「おめでとう!真知子」


「ありがとう、由梨。…でもこれ優勝したら何かあるの?」


『バカップルコンテスト優勝者には、クリスマスに行く、温泉旅行一泊二日間の旅をプレゼントです!!』


………温泉?
…………旅行??


「温泉かあ、いいね」


…って修司くん、和まないでよ!二人で旅行って…それって……。


いやいや、両親が許さないから!!


私は自宅に帰り、お母さんに旅行の話をした。すると…。


「いいじゃない。行ってくれば?」


彼氏と旅行する事を話すと、母はすんなりOK。それでええんかい!!


「ねーちゃん、お土産よろしく」


弟にいたっては止めるどころかお土産の話。
おいおい、それでエエんか。お父さんは、単身赴任中だしなぁ。


「なによ、アンタ。彼氏と旅行行けるってのに。暗いわよ?」


そう?


「あ、そっか。ごめん、お母さん気がつかなかった。ハイ、これ」


そう言ってお母さんは私にお金を渡した。


「何のお金?」


「それで勝負下着買いなさい」


母はそう言ってウインクした。
………なんて親だ。