「写メあるけど見る?」


由梨は携帯を取り出し、私に見せた。


…ィ、イケメンじゃん!!!


『イケメン』なんて今時死語だろ…。
私は心の中でツッコミを入れた。


たちまち私の顔は真っ赤になった。
それはまるで秋の紅葉のように。


「そんなエエもんか」


…じゃあ、ゆでタコで。


「ありきたりやな~」


…それは、まさしく、血の色のようだった。


「76点!」


ん?てゆーか誰だよ?
私は声がする方に顔を向けた。


「慎二くん、いつの間に??」


教室には由梨の彼氏の森川慎二がいた。


「男子立入禁止なんだけど……」


私は不審者を見る様な目で慎二くんを見る。


「大丈夫やって、バレてないし!!」


彼は明るくそう言った。
でもそこはバレとけよ。


不審者入ってもバレないなんてこの学校あぶなっ。


私は花に水をやっている校長を睨んだ。
校長は悪寒がしたのか、身震いし、くしゃみをした。


その反動でヅラが下に落ち、校長はあわててヅラを拾う。
そんな校長を見て、私は鼻で笑った。


慎二くんは、関西人。


はっきり言って、アホ。
テンションが高い。
生理的に無理。


「よくあんな人と付き合ってられるね」


私がそう言うと、


「アホなところが好き」


…と由梨は言う。


由梨は、一言で言って、クールビューティ。


カッコいい系で、俗に言う、B系?
そんな由梨がこんなヤツと付き合ってるなんて…。


え~、マジ信じらんないんだけどぉー


って、わしゃ女子高生か!
…いや、女子高生だから!!


またまた自分にツッコミを入れ、心を落ち着かせた。
はたから見ればかなり怪しい奴である。


……まぁ気にすんな。