被害妄想彼氏

「勝負です!!」


(だから何の!)


「そうですね、とりあえずトランプで…」


(地味な勝負じゃの)


おばあさんはトランプを持ってきてくれた。
『ババヌキ』で勝負をつける。長い間、ババヌキが行われた。


結果は…
…………負けた。


(えらい落ちこんどる!)


くそう、これじゃあ認めてもらえない…。


「何やってるの?」


真知子ちゃんに気付かれた。


「また明日来ます!!」


俺は真知子ちゃん家を後にした。


次の日、俺はふたたび真知子ちゃん家に来た。


(本当に来たんかい)


「勝つまで来ますから!!」


(あ、そうかい)


「今日は、たこ上げで勝負しましょう!!」


(ちと季節外れでは)


俺はたこ上げのたこをおばあさんに渡し、近くの河原に行くことにした。


河原に到着。


「では俺から行きますよ。………それっ」


俺のたこは思った以上に高く上がった。
………が、思った以上に今日は風が強かった。


「わ――――――――」


俺はたこに引っ張られて、河原を引きずりまわった。


「アンタ何しとるんじゃ―――。」


おばあさんがこっちに向かってくる。