「な、なんのこと?」


おばちゃんは慌てている。


「ワシは見たぞ!アンタがこの子の尻を触ってるのをな!!」


「で、でたらめ言わないで!!」


おばちゃんがそう言うと、同じ車両の人が、


「私も見た」
「俺も見た」
「おいどんも見たでごわす」


(…あ、また力くんが電車の中に…)


そのおばさんは、力くんの張り手をくらって、


「白状しないともう一発おみまいするでごわす!!」


と言われ、駅の事務室に行く事になった。
俺も、行かなきゃいけないらしい。



「なんで、よりによって女の人が男の子のお尻を触るの~。…まあ、分からなくもないけど…」


そう言って、駅員さんは俺の方をチラリと見た。


「僕、そんなにお金持ってるように見えるんですか?」


駅員さんは『そうじゃないよ』と言いながら目をそらした。


……そうか、この駅員さんもグルで、俺の金を狙っているのか!!


俺は鞄の中に入っていた大量のアメを取り出した。


「この偽駅員め!!」


俺は駅員さんにアメを投げつけた。


「ちょ、ちょっとキミ、やめなさい」


俺は、他の駅員さんに取り押さえられた。