「やっぱり、大事な友達には幸せになって欲しいよね。」


「真知子ちゃんも防弾チョッキ着なよ」


「着ません!!」


しんみりしてんのに!コイツは…。


「ゆーりー」


後ろから声が聞こえた。聞き覚えのあるこの声は…。


「慎二?」


あら、ジャストタイミング。


「用事終わったから連絡したのに出-へんから修司が言ってたクレープの屋台見つけてその周辺ウロウロしててん」


「そ、そう…ごめんね?」


「何を謝ることがあるんだ、メーテル!」


誰がメーテルだ。


「驚かないでね。妊娠…したみたいなの!」


「…へ?」


さっきまではしゃいでた慎二くんがピタリと止まる。


「ニシンって…魚?」


修司くんと同じ事言ってる…。


「じゃなくて、妊娠。」


「ああああああ、あ、そーだよね…」


標準語になってるし…。


「やっぱ困ったよ…ね?」


由梨が不安そうに言うと慎二くんは首を横に振りすぎて立ちくらみしていた。


「めっちゃ嬉しい!めっちゃ嬉しいって!俺ら高校生で…っていう気持ちもあったり不安もあるけど、それ以上になんか嬉しい!!」


慎二くんはいい顔で笑って言った。