被害妄想彼氏

「あ~!面白かった」


私は満足気に、劇場から出てきた。


「お笑いとか見んの久しぶりやもんなぁ!」


私と慎一さんはお笑いの話で盛り上がった。


「真知子!」


「あ、由梨。皆も来てたんだね。」


「おぅ、ここのたこ焼き美味いから来てん。てか、兄貴と真知子ちゃん、カップルみたいやなぁ?」


え……………


「猫背と俺かよ?」


いや、猫背って言うのやめて下さい……


「…カップル………」


ん?修司くんどうしたの?


「…………。」


「修司?」


チヨちゃんも心配して修司くんに近付く。


「………寄生虫がいるのかも知れない……」


…………は?


「なんか胸のあたりがムカムカってゆうか、モヤモヤすんだもん!」


……え、それは…


「サナダ虫だ!きっと!!」


いや、サナダ虫は腸でしょ。


「しまいには、栄養を全部吸い取られて死んでしまうんだ!!」


……なに、それ?


「修司!違うよっ」


チヨちゃんが言った。


「なにが?」


「胸がモヤモヤしたりするのは、ヤキモチやいてるからだよ。」


「え……」


そ、そうなの?


「…………??」


修司くんは分かっていないみたいだった。


「修司、無意識にヤキモチ焼いたんだね」


チヨちゃんが悪戯っぽく微笑んだ。
修司くんは、何がなんだか分からない様な顔をしていた。