――――――そして、物語は今に至る。



三澤はひとりで先日の家に来ていた。


「その時、長倉の馬鹿が……」

「ははは、それは誰だって、しようがないじゃろう」

「問題は、ここからなんですよ」

「ほぉ……」


おばあさんの部屋で、楽しげに会話している。


「ね。馬鹿でしょ?」

「ははは、いや、はは、確かにそうじゃな」


三澤はちらりと時計を見た。
なかなかの時間、話し込んでいたようだ。

もう、盗み聞かれる心配はないだろう。


「さて……そろそろ本題に入りましょうか」


三澤はそう言って、少し目を細めた。