俺は生きてきて

何度




人の死というものを

見てきたのだろう




助けれた人もいれば


助けられなかった人もいた




人はいつか

死にゆくものだけれど




目の前で溺れている人間を

見て見ぬフリなんか出来ない




遊也は隆太郎を助けて


死んだ




わかってる


人は誰かの為に生きる




その為に自分を大切にする




俺はこのまま


死んだとしても




やっぱり湯川さんを

目の前で死なすことは



出来なかった




ただ、絢音…


最後に逢いたかった




抱きしめたかった




大好きな笑顔を

焼きつけたかった




俺と二度と会えなくても


泣くなよ…バカ




運命を信じて


また愛し合えると信じて




俺と離れたんだから




最後まで信じろよ?




俺は生まれ変わっても


また絢音を




探して、そして


見つけ出して




もう一度、


恋をするから




例え、同じ運命が繰り返されたとしても




俺は絢音が好きだよ




何度、運命が繰り返されたとしても




絢音に恋をする








ただ、せめて

笑って言いたかったな







―――…さよならって笑顔で