次の日、学校へ行くとカズがぶっきらぼうに愛空に謝っていた。すると、愛空はなんのこと?とカズを笑顔で許す。
それを見て、クラスメートたちは安心していたが、あたしは愛空がやっぱり無理をしすぎているんじゃないかと、気になっていた。
あたしにも経験があったから。
本当は辛いのに、苦しいのに、元気に振舞って…そしたら過呼吸を発症するようになってしまった。
自分では無理をしてるって、そこまで限界が来ているなんて幼い時のあたしには気付けなかった。
あたしは学校が終わったあと、介護施設に向かった。
「愛空ちゃんの…お父様ですよね?」
昨日ちらっと会釈をした程度だから、もう一度きちんと挨拶をした。
「愛空ちゃんのクラスの担任をしております、鈴ヶ森と申します。」
「絢音先生ですよね?愛空から話しは聞いております。桜木です」
お父さんからは、名刺を頂いた。
“桜木大輔”さん…
「お仕事中に申し訳ないです」
「ちょうど休憩時間ですから、かまいませんよ。お掛けになってください」
「はい…ありがとうございます」
丸いテーブルを挟み、向かい合って座った。
「お父様…まだお若いですよね…?」
「僕は26です。絢音先生もお若いですよね?」
「あっ…同い年ですね…」
「そうですか」
「臨時教師とはいえ、もう本当に教師としても人としても未熟でして…」
「そんな…僕も同じですよ…」
介護の仕事をしているだけあって、優しそうな気さくなお父さんだった。
それを見て、クラスメートたちは安心していたが、あたしは愛空がやっぱり無理をしすぎているんじゃないかと、気になっていた。
あたしにも経験があったから。
本当は辛いのに、苦しいのに、元気に振舞って…そしたら過呼吸を発症するようになってしまった。
自分では無理をしてるって、そこまで限界が来ているなんて幼い時のあたしには気付けなかった。
あたしは学校が終わったあと、介護施設に向かった。
「愛空ちゃんの…お父様ですよね?」
昨日ちらっと会釈をした程度だから、もう一度きちんと挨拶をした。
「愛空ちゃんのクラスの担任をしております、鈴ヶ森と申します。」
「絢音先生ですよね?愛空から話しは聞いております。桜木です」
お父さんからは、名刺を頂いた。
“桜木大輔”さん…
「お仕事中に申し訳ないです」
「ちょうど休憩時間ですから、かまいませんよ。お掛けになってください」
「はい…ありがとうございます」
丸いテーブルを挟み、向かい合って座った。
「お父様…まだお若いですよね…?」
「僕は26です。絢音先生もお若いですよね?」
「あっ…同い年ですね…」
「そうですか」
「臨時教師とはいえ、もう本当に教師としても人としても未熟でして…」
「そんな…僕も同じですよ…」
介護の仕事をしているだけあって、優しそうな気さくなお父さんだった。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)