「……でも旦那さんが待っていたから戻ってきたんじゃないんですか?」




「旦那とは幼なじみで…自然に好きになって、でも私がこの島を出ていってしまって、遠距離恋愛って言っても、大学の4年間は、連絡は取ってなかったのよ。今は結婚したから、遠距離恋愛だったって言ってるけど、もしあのままだったら自然消滅だったわ」




「そうだったんですか…じゃあ二人はなんで…」




「でもいつ帰るかもわからない、そんな私をあの人はずっとここで待っていてくれた…」





「素敵……初恋を叶えたんですね」




「そうね…私には運命の人だったのかも。こんな私を全て受け止めてくれるのはあの人だけだもの…」




夏子先輩、大学の時にはミスコンもグランプリを取ったことがあるほどで、本当にモテてたもんな……




でも彼氏がいなくて皆ずっと不思議がってた




「夏子先輩の旦那さん、本当に素敵な人ですもんね…毎朝うちに獲れたての魚、届けてくれますもん。助かってます」




「そう?よかった。絢音ももう…26才でしょ?そろそろいい人いないの?」




「…いまは…子供たちに恋してます」




「でもこんな離島に絢音を連れてきたのは私のせいだものね…出逢いなんか…あっ!でもこの前子供たちがお見舞いに来てくれた時に、佐伯先生と結婚するって聞いたけど…」




「佐伯先生のことは、噂です…それに、前の臨時教諭の期間が終了して、ちょうど夏子先輩にお話し頂いて助かりました」




「今回の期間は1年だったわよね?」




「はい」




「もしこの島でもよかったら、私から、正式採用になるよういろんな人に頼んでみるけど…」




「いえ…でもゆっくり考えてみます」






運命……そう信じて




あれから6年の月日が流れていた……―――