幼なじみ〜first love〜

――…次の日の朝、俺は絢音と手を繋ぎ、河原沿いを歩いていた。




「いい天気だね…空気がおいしいっ!」




絢音は、今日も朝から元気いっぱいだった。




雲ひとつない綺麗な青い空がどこまでも広がっている。




「気持ちいい朝だな…」




いつもなら夜中のバイトを終えて、ヘトヘトで目をこすりながら帰ってる頃だ。




俺も新鮮な空気をいっぱい吸い込む。




「ねぇ…蒼、歌でも歌おうよっ」




絢音は楽しそうな顔で俺を見上げる。




「嫌だよ、恥ずかしい…」




俺がそう言うと、絢音はひとりで歌い始めた。




「どんだけテンション高いんだよ……」




俺の二歩前を歩き、楽しそうに歌う絢音を見てまた幸せな気分になる。








まだまだ問題はたくさんあるけれど




こんなふうに




絢音といつまでもいれたら……―――。








それから10分程歩くと、絢音が急に立ち止まった。




「蒼、送るのここでいいよっ!」




絢音が振り返って俺を見つめる。




「えっ?何でだよ……家の前まで送るって」




「ううん…ここでいい」




絢音は微笑んだ後、俺に背を向けた。




「…絢音……?」