絢音は俺の肩にもたれかかった。
「今日は…星いっぱい見えるね……」
「……そうだな」
真っ暗な部屋の大きな窓からは、まるでプラネタリウムのようにたくさんの星が輝く。
「小さい頃…よくこうして2人で星見てたね…」
「ふたつ星…だっけ?」
「そうだよ…けど、今日みたいに、こんなにたくさんの星が見えてたら…見つけられないな…」
一瞬、哀しげな瞳をした絢音を俺は見逃さなかった。
「蒼……キスして」
少し潤んだ
どこか哀しげな瞳
俺は、絢音のおでこにそっとキスをおとした。
「もっと…いっぱい……いっぱいキ…ス……」
絢音の柔らかい唇を、唇で塞いだ。
何度も何度も
見つめ合っては……キスをした
「………蒼」
愛しい絢音の声
「………蒼…っ」
俺の名を呼ぶ
この愛しい声の為なら
俺は何だって出来る気がした
この想いはずっと
ずっと変わらない
昔からずっと……
そしてこれからも……
俺たちは愛し合った
深く…激しく…何度も何度も……
絢音の身体を
愛で撫でて
愛で吸い付くして
絢音の全てを愛した……―――。



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)