――…3日後、俺は退院した。
「蒼…っ!!」
病院の前には、とびっきりの笑顔で、元気よく絢音が手を振っていた。
「迎えに来てくれるなんて優しいじゃん」
「何言ってんの…あたりまえじゃん」
絢音の両腕は、俺の左腕に絡まった。
「今日は2人でゆっくり過ごそっ!」
絢音がにっこりと微笑む。
「ん…そーだな。バイト先にもしばらく休めって言われちゃったしな。てかおまえ大学は?」
「今日はサボり~」
「…ダメじゃんか」
俺は、絢音の頭を軽く叩いた。
「いいのぉ~今日は特別ねっ」
「特別だかんな?」
「うんっ」
絢音の手を握り歩き出すと、絢音が繋いだ手を大きく空に向かって振り上げた。
絢音はいつも以上に元気だった。
こんなに笑っている絢音を見たのは、もしかしたら何年ぶりかもしれないというほどに……