「ここ…どこ?」




俺が周りを見渡すと、病室のようだった。




「蒼、覚えてないの?バイト中に倒れたんだよ」




バイト中に…倒れた…?




「……あぁ…そうだった」




あの倉庫での夜中のバイト…クビかな……




日給すげぇよかったんだけどな……




俺は、深くため息をついた。




「先生がね、過労だって……2、3日は点滴とかで入院だからね?」




「…いや、俺大丈夫だから。なんかスッキリした」




背伸びをすると身体が軽くなった気がした




「無理しすぎだったよ…蒼…。あたしも知ってたのに蒼がこんなふうになるまで、ほっといてごめん……」




「絢音が謝ることは何もないだろ?」




絢音は俯いたまま、顔を上げることはなかった。




「……絢音…おまえ高校ん時、海でむちゃして俺が病院運んだ時さ、智也に逢ったって…言ってたよな…」




「え…?…あ、うん…」




絢音はきょとんと目を丸くしていた。




「俺さ、遊也に逢った……」




また…逢えたんだ




遊也に……




「えっ?!」




「あいつらさ…ちゃんと俺たちのこと、見守ってくれてんだな……」




「………うん…そぉだね……」








俺たちの心の中で




ずっと


ずっと生きてる




俺たちがあいつらを忘れない限り




あいつらは生き続けられる




だからさ絢音




俺たちは強く生きてかなきゃな




あいつらを忘れないように




あいつらがずっと




生き続けられるように




けどさ…遊也




おまえが言ってた一番大事なことってなんだ?




俺…わかんねぇよ……