必死に走った。下駄箱で、靴を急いで履き替えて…その瞬間、腕を後ろから掴まれた。




「なんだよ…それ…!」




蒼はあたしを追いかけてきていた。




「…言葉通りだってば」




「その言い方…なんだよ」




蒼の声が怒りに震えてるのは、わかった。




「あたしたち、ただの幼なじみっていうだけじゃん。いちいち干渉しないで!」




「干渉って…おまえが心配だからだろ?今日だってあんな目に遭って…」




「大丈夫だってば!」




「ひとりで帰ったらまた危ないかもしんないだろ?」




「そういうのが、イヤなのっ!部活休んだり、あたしの為にムリしないでよっ」




迷惑かけたくない…




あたしが蒼と話さなきゃ




それで全てうまくいく




「本気で言ってんのか?俺がおまえの為にいつムリしたんだよ!?」




「もう、あたしのことは、ほっといて…!蒼と話したくない…」




嘘をつくのは


苦手だから…




早く行って…




「……勝手にしろよっ」




蒼が去っていく


これでいいんだ…




蒼が見えなくなるまで




涙を流さずにいられたのは




あたし…頑張ったよね…