「…美々ちゃん…今さら、あたし…どうやって彼女になればいいのぉ?」




あたしが訊くと、美々ちゃんは、呆れたように深く溜め息をついた。




「そんなの決まってんじゃん。告白すんの!」




「だって…怖い」




「何年片想いしてきてんのよ?一生、片想いしてるつもり?」




もうずっと、生まれた頃から…一緒なんだよ。

蒼とあたし。


隣にいるのが
あたりまえになってた。




告白して、そばにいられなくなったら?
気まずくなったら?




あたしには、蒼が全てなの。



例えば……


蒼が太陽なら

あたしは月




太陽の光がなければ

月は見えない




蒼がいるから

あたしは存在するんだよ。




あたしの心に残る深い傷も。




あの日、蒼がいたから、

あたしは今こうして生きているけど…




蒼がいなかったら、

あたしは今




生きていない。




蒼がいなきゃ、

あたしは、生きてなんていけないんだ…―――。




「一生片想いって…美々ちゃん酷い…」




「このままじゃわかんないじゃない!幼なじみは、ただの幼なじみ!近くにいても、彼女じゃないんだからね?」




美々ちゃんの言う通りだと思う。




幼なじみは、ただの幼なじみで…彼女なんかじゃない。




距離は近くても、蒼の隣にいても、あたしは彼女じゃない。




小さい時とは違う感情が、少しずつあたしの中に生まれ始めていることには気づいていた。




蒼をあたしのモノだけにしたい。




だけど告白をしたら、全てが終わる。




あたしの世界は、輝きを失う。