「顔色悪いし、早退すれば?」




蒼があたしの左頬を、軽くつねった。




「だいじょーぶだよっ」




あたしは、必死に笑顔でピースを繰りだした。




「先生に話したら、今日は早退してもいいって言ってたぞ?」




「ホントに大丈夫だから」




「…こういうとこ、ホントに頑固だな。…つらくなったら、ムリしないで言えよ?」




蒼はあたしの頭をぐしゃぐしゃっと撫でる。




「わかった」




「先生も心配してた。落ち着いたら、話を聞きたいって…」




「あとで職員室行ってくるよ…」




「俺も行くよ」




蒼は優しいね…




でもね…蒼


あたし…蒼のそばにいたらダメみたい…――。