次の日の夜、俺は入院している遊也の病室へと向かった。
遊也の病室のドアが少し開いていて、中から光が漏れている。
その隙間から、そっと中を覗くと、何やら深刻な顔をして話すケンと美々の姿が見えた。
「…蒼……」
俺の気配に気づき、ケンがこちらに振り返った。
「あれ…?遊也は…?」
病室の中には、ケンと美々の姿しかなかった。白いベッドの上の布団は綺麗に整えられている。
「それが……」
美々は、俺から視線を逸らした。
嫌な予感がした……―――。
「…遊也が、いなくなっちゃった…。ケンと2人で病室に来たら、絢音がベッドの前で…ひとり茫然と立ち尽くしてて…」
「それで、絢音は…!?」
「あたしたちが呼び掛けたら、病室をもの凄い勢いで飛び出してったの…」
「俺たちも探しに行こうとしてたところ。蒼にも連絡しなきゃって思ってたら、おまえ来たから…」
ケンは、携帯を耳にあてながら、深くため息をつく。
「遊也の携帯…電源切ってるな…。絢音っちも電話出ねぇ…」
遊也のやつどこに行った?絢音まで…。
「俺、探しに行ってくっから…2人はここで…」
そう言って俺が病室のドアノブに手をかけると、その腕を力強く捕まれた。
「また仲間はずれかよ…?」
「ケン……?」
「俺だって美々だって…おまえらと友達ってこと忘れんじゃねぇよ…」
「……わかってる」
ケンの鋭い目に睨まれ、俺はハッと気づいた。
「もしかしたら、あそこかもしんねぇ…」
俺たち3人は、急いで病室を飛び出した。
遊也…この勘が
外れていてくれたら
どんなにいいか
遊也の病室のドアが少し開いていて、中から光が漏れている。
その隙間から、そっと中を覗くと、何やら深刻な顔をして話すケンと美々の姿が見えた。
「…蒼……」
俺の気配に気づき、ケンがこちらに振り返った。
「あれ…?遊也は…?」
病室の中には、ケンと美々の姿しかなかった。白いベッドの上の布団は綺麗に整えられている。
「それが……」
美々は、俺から視線を逸らした。
嫌な予感がした……―――。
「…遊也が、いなくなっちゃった…。ケンと2人で病室に来たら、絢音がベッドの前で…ひとり茫然と立ち尽くしてて…」
「それで、絢音は…!?」
「あたしたちが呼び掛けたら、病室をもの凄い勢いで飛び出してったの…」
「俺たちも探しに行こうとしてたところ。蒼にも連絡しなきゃって思ってたら、おまえ来たから…」
ケンは、携帯を耳にあてながら、深くため息をつく。
「遊也の携帯…電源切ってるな…。絢音っちも電話出ねぇ…」
遊也のやつどこに行った?絢音まで…。
「俺、探しに行ってくっから…2人はここで…」
そう言って俺が病室のドアノブに手をかけると、その腕を力強く捕まれた。
「また仲間はずれかよ…?」
「ケン……?」
「俺だって美々だって…おまえらと友達ってこと忘れんじゃねぇよ…」
「……わかってる」
ケンの鋭い目に睨まれ、俺はハッと気づいた。
「もしかしたら、あそこかもしんねぇ…」
俺たち3人は、急いで病室を飛び出した。
遊也…この勘が
外れていてくれたら
どんなにいいか



![春、さくら、君を想うナミダ。[完]](https://www.no-ichigo.jp/img/issuedProduct/10560-750.jpg?t=1495684634)