幼なじみ〜first love〜

「ねぇ…蒼、教えて…」




「ん……?」




「なんで…遊也なの…?あんな人…どこにもいない…何で遊也が死ななくちゃいけないの…?」




絢音は、俺にしがみついて泣いていた。その姿を見ているのが苦しくて、俺は目を背ける。




「俺だって…信じたくねぇよ…」




絢音の気持ちは、痛いほどわかる。




俺だって

何で遊也なんだって



悔しくて

苦しくて



どうしようもない思いを抱えてる




「あたし…遊也がいなくなるなんて…考えられない……」




「俺だってそうだよ…絢音…。遊也がいなくなったら悲しいのは、おまえだけじゃない…」




俺にとって

遊也はどんな存在だった?



アイツは…




最初はただ、ムカつく奴で…ヘンな大阪弁使うし。お調子者で、見た目もチャラくて、イチゴ牛乳ばっか飲みやがって…


けど……だけど




アイツは…俺が一番苦しかった時、俺の一番の理解者だった。




遊也…俺は、おまえが一番ツラい時に何もしてやれないんだな。それがどんなに悲しいことかわかるか?




「蒼……あたしね…」




言葉に詰まる絢音の頭をそっと撫でた。




「……わかった」




言葉にしなくても、そばにいれば、絢音のことは全てわかるんだ。




「出来るだけ…長い時間、アイツのそばにいてやろーぜ」




「蒼……ありがと」




大粒の涙を溢して

悲しい顔をする君に



これ以上


苦しみを与えたくない




「今度は……俺が待つから…」




ずっと、待つよ。だから遊也のそばにいてやれ。




「次は…俺の番だ……」




ずっと…何年かかっても待ってる。



今度は俺が、絢音を待つ。




いつまでも…君を愛してる……―――