幼なじみ〜first love〜

「絢音…落ち着いたらすぐに連絡して…」




病室のドアの前に立ち、ママは静かに震えながら言った。




「絢音…これだけは間違えないで、忘れないで、あなたは私の娘よ…」




――…ガチャ…パタンッ




だったら…さっきの話は

なに…?




「あたしも、出てくね。ちゃんと後で説明して…2人だけで話した方が良さそうだから」




「…ミミちゃん……」




「病室の外で待ってるね…。ねぇ、遊也…」




「………ん?」




「あたしにとっても…アンタは大事な友達なんだからね」




「美々……」




「アンタは…強い男だって…知ってっから…」




美々ちゃんの目にも



涙がいっぱい

溢れてた




「誰よりも優しいって…ちゃんと知ってる」




「さんきゅ…美々」




遊也が言うと、美々ちゃんは無理やり微笑んで、病室を出ていった。




みんな…


みんな…大好きなんだよ




遊也のこと




ねぇ…だからお願い




全て嘘だって




笑って言って




「絢音…顔あげて?」




「…嫌…嫌だよ…遊也……ねぇ…嘘だよね…?」




顔をあげると、遊也は何も言わずに微笑んだ。


すごく切ない瞳をして。




「ごめんな、絢音…嘘ついて」




嘘だって言ってよ…




「ほんまのこと言うたら…絢音…壊れてしまうんやないかって…」




「そんなの…信じれない……信じたくない…っ!」




「………俺もや」




そう言って遊也は、あたしの頭をそっと撫でた。