――… 入院してから、2週間が経とうとしていた。 白いベッド、白い枕、白いシーツ…白い壁。 窓から見える景色は、いつも変わらない。 身体はどこも不調を感じていなかったが、ここにいると俺は病人なんだと、思い知らされる。 変わるのは 空の色くらいや…… ――…コンコン 病室のドアを叩く音。 「……誰や?」 間をおいて、扉がゆっくりと開く。 「……何しに来たんや」 俺は、予期せぬ訪問者に動揺していた。