絢音を見つめ、俺は深くため息をついた。




ごめんな…絢音…




「絢音…怖かっただろ…?」




俺は、ベッドに座り絢音をそっと抱き寄せた。




「…蒼……大丈夫だよ…ごめんね…」




俺の肩に顔をうずめる絢音の声は、とても弱々しくて。




「…無理すんな」




「大丈夫…」




“大丈夫”その言葉が


絢音には口癖になってた




あの日からずっと




「…俺の前で…ムリして笑ったり、平気なフリしたりすんな……」




大丈夫なわけないのに


頑張ろうとするから




だから心配なんだよ




「…ホントに…ぅぅ…っ…平気…だもん…っ」




「……バカ」




ごめん…絢音…




こんな小さな身体を…震えさせたのは




……守ってやれなかった俺のせい




「……泣けよ」




「……大丈夫…っく…っ…」




「我慢しなくていい。二度と絢音を…こんな目に遭わせたりしないから…」




「蒼……っ」




「俺が…絶対に…」




絢音を…




傷つけさせたりしない…――。




俺がおまえを守るから……




5年前のあの日も…そう俺は誓ったはずだったのに。