俺が保健室のドアを開けると、ジャージに着替えた絢音と高梨の姿が見えた。




保健の先生は、周りには見当たらなかった。




「…蒼……」




そう言って、とても不安そうな顔で、俺を見つめる絢音がいた。




「絢音…大丈夫か…?」




「ごめんね?心配かけて…もぉ平気だからっ…」




ベッドの上に腰掛ける絢音は、無理に笑っているのがわかった。




「あたし、廊下にいるね」




そう言って、高梨は俺の肩をポンと叩く。何も言わなくても、しっかりしろと言われているようだった。




「美々ちゃん、ありがとね…」




絢音が高梨に微笑むと、高梨は「あとで」と言って廊下に出ていった。




保健室には俺と絢音の二人だけになった。