あたしは泣きながら下を向いて、病院の廊下を歩いていた。




“俺から連絡するまで…会わんとこ…?”




あたしが悲しい時

いつも遊也は




そばにいてくれたのに




あたしは遊也に

どれだけ救われたか




あたしは遊也にとって


そういう存在になれないの…?




してもらうばっかりで


あたしは
何もしてあげられない




すごく悲しいよ……




ドン…っ…――!!




病院の廊下で人とぶつかり、あたしは倒れ込む。




「大丈夫かい…?」




手を差し伸べてくれたのは、白衣を着た医者だった。




「…あのっ…!」




「……ん?」




「あのっ…あそこの病室の……一ノ瀬遊也は…何で入院するんですか…?どこか悪いんじゃ……」




どうしても

信じられなかったから




どこか悪いんじゃないかって……




心配だったから……




「……あぁ…一ノ瀬さんは過労だよ。…仕事などで疲れが溜まっていたんじゃないかな…?心配かい…?」




「はい……すごく…」




嘘じゃなかった……




「ゆっくり休ませてあげなさい…」




そう言うと、医者はその場を去っていった。




遊也…あたし


待ってるから……




あたし…遊也のそばにいる