雪山は、暖かい朝日も昇り、穏やかな白い朝だった。




雪の中を蒼と手を繋ぎ、歩いていく。




「そういえば…何でこんな危ないことしたんだよ…」




蒼があたしの手をギュッと握る。




「……願いが叶うっていう…あっ!」




「……へっ?」




「今日…クリスマスだね。すっかり忘れてた…」




「おまえ死にそうだったしな……」




蒼の横顔を見つめる




まだ実感が湧かない




何度も何度も


夢を見た




何度も何度も


蒼を信じて




現実との狭間で

涙を流し




目を覚ます毎日




これは夢じゃない…




信じていいんだよね……




「絢音…」




蒼が急に立ち止まった。




「俺は…もう迷わないよ…」




「…蒼……」




「…これからがツラいと思う…でも俺は絢音と一緒にいたい…」




「……うん」




「この先…何があっても、俺は絢音となら乗り越えていけるって信じてっから……」




真っ白な雪が

罪も哀しみも




消してゆく




またここから

始めよう




君の手のぬくもり

君の言葉



君の愛を信じて……




「絢音…俺を信じて、ついてきて…」




「………うん」




「約束して…俺から離れないって…」




「……うん…約束するよ……」




小指と小指を絡ませて、一度は途切れた


永遠を誓う…―――。