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絢音…どこに行ったんだよ
俺は絢音らしき小さな足跡をたどって、雪の上をひたすら走ってゆく。
こんな夜中にひとりでどこに?怖がりのくせに、きっと泣いてんだろ?
吹雪いて前方もよく見えなくなってきた。
こんな寒い中
なにやってんだよ
絢音…どうしておまえは
いつもいなくなる?
どうして…何かあったのか…?
なぁ…俺は絢音に
幸せでいてほしいだけだよ。
絢音の笑顔が好きだから
絢音の幸せを願ってるから
ただそれだけなのに
「ハァ…っ…ハァ……どこだよ………」
足跡も降り積もる雪で消えていく……
走っても走っても、周りを見渡しても雪しか見えない。
真っ白な世界……
「……絢音」
だんだん寒さで意識が朦朧としてくる。
このまま絢音に会えないなんて、絶対に嫌だ。
いますぐ行く
だからどうか
無事でいて………
「絢…音……」
急がないと
早く行かないと
いま見つけられなきゃ
君にはもう二度と逢えない