「蒼っ!沙羅も3個食べるから…絢音ちゃんも落ち着いて…?」




この2人…本当に子供みたいなケンカして、バカみたい。私は呆れながらも、その場をなだめた。




絢音ちゃんもケーキ3個って…どんだけ食べるのよ。




「沙羅っ!じゃあさ、じゃあさ、6種類のケーキ頼んで半分コにしよっ?」




絢音ちゃんの瞳は、キラキラと輝いていた。




「ふふっ…いいよ」




絢音ちゃんの食い意地には、だいぶ驚いたけれど、本当に嬉しそうに言ってくるから…少し可愛いと思った。




「いいのか?遊也…おまえの彼女、チビデブだぜ?」




蒼が笑いながら酷い言葉を言うと、遊也くんは真顔で答えていた。




「俺は…絢音がどんなんなっても…好きやから。チビデブでもかまへん」




メニューを見ながら、さりげなくクールに答える遊也くん。




絢音ちゃんは恥ずかしそうに顔を赤くして俯く。




「あっそ…ごちそーさま」




一瞬真顔になった蒼は、すぐに笑って誤魔化していた。


私には、蒼がムリして笑っているのがわかった。




私は苛立ちを抑え、笑顔で夕食の時間をやり過ごした。