幼なじみ〜first love〜

沙羅はね…蒼が優しいってこと


知ってるから




声が出ると告白した時に




わざと言ったの




“捨てないで”


“ひとりにしないで”


“蒼がいなかったら
死んじゃう”




優しい蒼に、残酷な言葉で




蒼は、

蒼のお母さんが死んだことも

私のパパが死んだことも




自分のせいだって思い込んでる。




ううん…私は、

蒼がそう思うように
仕向けたのかもしれない。




もう二度と蒼は

自分の罪を
繰り返したくないはず…




あの残酷な言葉、全ては


蒼を

どこにも
行かせないようにする為…




もし蒼が

私を見捨てるなら…




私を待つモノは


“死”だよと




再確認させた




蒼の瞳を

曇らせて…ごめんね




哀しい瞳……




でもいつか…沙羅が変えてあげる




蒼を本当の笑顔で

笑わせてあげるから




だから……




“不安”も

“疑い”も


すぐに消してみせる




運命を

教えてあげる……




沙羅が蒼を

絶対に幸せにしてあげる……




“あたりまえの幸せ”を
手に入れて




蒼に“幸せだな”って

言わせてあげるから……






夜空を見上げて

今日も涙を流す蒼に




沙羅もまた

ベッドの中で




声を押し殺して


涙を流していた…―――。




負けない

負けないから…




勝つのは私だもの





“あの子”を


傷つけて

惑わせて




試してあげる……―――。