――…時計を見ると、真夜中のちょうど3時を過ぎた所だった。




―――……ガチャ




玄関の鍵が開く音が聞こえた。




―――………バタンッ




蒼は一瞬驚いたように、肩をビクッとさせた。




「………沙羅…まだ起きてんのか?」




そんな顔しないで……




もう…蒼の嘘の笑顔…見飽きた……




ソファに座る私の頭をポンっと叩く…。




「どした…?眠れねぇの?」




蒼の問いかけに、真っ直ぐ蒼の目を見つめた。




「あったかいミルクココアでも作ってやるよ…」




そう言って蒼は、台所の方へ向かった。




沙羅が見つめたら


瞳をそらすクセ……




ねぇ…蒼……


3ヶ月前に何があったかはわかんないけど




迷ってるんでしょ…?




絢音ちゃんの所には

いかせない




絶対に…いかせないんだから……




「……っ……蒼……っ…く…ぅぅ…っ…」




「……沙羅っ…?!…おまっ…えっ!?…声…どして……」




「……っく…治…った…よ……蒼…っ…沙羅…声……出るように…なった…よ………!!」




蒼は、思い切り沙羅の体を強く抱き締めた……。




「……よかった…マジで……本当によかったな……っ!」




「…うん…っ……」




蒼の背中に手を回した……―――。






君が嘘の笑顔を

私に向けるからだよ




だから私も

嘘の涙を流すの……




泣くなんて簡単




嘘には嘘で

返してあげる




ねぇ…蒼

絶対に私が勝つよ




絶対に手離したりしない




君は私のモノ




何だってできる




完全に私のモノになるまで




もう少し………