車で沙羅を駅まで送り、改札の中へと消えていく沙羅の後ろ姿を運転席から見つめていた。




「蒼が迷ってる……?そんなん…嘘やろ……?」




沙羅を離して

絢音を選ぶ……?




絢音を選んでも幸せになんて

できひんやんか…




せやからおまえ

プライドも何もかも捨てて




この俺に…絢音を

頼んだんちゃうんか……?




絢音を忘れるって




気持ち押し殺して

絢音の幸せ願うって




そう…あの時、決めたんちゃうんか……?




俺は、沙羅の姿が見えなくなり、アクセルを思い切り踏み込んだ。




2人に未来などないと

知っているのに




沙羅の勘違いに

違いないのに……




それでも俺は

動揺していた……―――。